ポリベンゾイミダゾール(PBI)はガラス転移点427℃であり、樹脂材料において最高域の耐熱性を有する非熱可塑性樹脂です。下図に示す構造をもった線状の非晶質高分子であり、機械強度・耐摩耗性が高く線膨張係数が小さいなど優れた物性を有します。

 代表的なPBI樹脂の特徴は、以下の通りです。

  • 高機械強度   耐摩耗性
  • 高耐熱性
  • 低線膨張係数
  • 耐溶剤性

PBIワニスについて

 PBIワニス(MRS0810H)はPBI樹脂を有機溶媒に溶解した製品であり、コーティング剤として使用した場合PBIの特性を持ち、かつ良好な密着性を有する被膜の形成が可能です。そのため、耐熱あるいは耐摩耗性が必要となる絶縁被膜、保護膜として利用されています。

 また、上記塗膜以外にも耐摩耗性や耐熱性などの機能付与を目的としてバインダ樹脂や他の樹脂への添加剤として利用されています。

 PBI樹脂は本来耐溶剤性に優れるため、合成後のPBI樹脂を有機溶媒に溶解することは非常に困難です。しかしながら、弊社の特殊な技術により特定の溶媒への溶解性を向上させることを目的として開発されたものがPBI Fine Powderです。溶液グレードであるMRS0810HではPBI樹脂の溶解量には限度があり、通常10%固形分濃度以上ではゲル化が進むため、ポットライフ(溶液寿命)が短くなります。これに対して、PBI Fine Powderは粉体で供給するため濃度制限を受けずに、高濃度で溶解することが可能です。

 PBI Fine Powderを使用する直前にジメチルアセトアミド(DMAc)などの溶媒に溶解させることで、固形分濃度20%を超える樹脂溶液を製造して厚膜塗膜の形成が可能です。